バイオマーカーとは、「通常の生物学的過程、病理学的過程、もしくは治療的介入に対する薬理学的応答の指標として、客観的に測定され評価される特性」と定義*1され、広義には通常診療に用いられるバイタルサインや、生化学検査、血液検査、腫瘍マーカーなどの各種臨床検査値や画像診断データなども含まれます。 医薬品や機能性食品の開発においても、薬効評価マーカーや安全性・毒性マーカー、エンドポイント評価としての代替マーカーなど、様々な目的でバイオマーカーは測定されます。その測定対象はサイトカインやホルモンなどのタンパク質、ペプチド、DNA、RNA、低分子物質など多種にわたります。
メディフォードでは、動物やヒト由来の生体試料を用いたバイオマーカー測定の受託サービスを提供しています。GLP基準、信頼性基準、non GLP(基準なし)での対応が可能です。 血清、血漿、尿、組織、免疫細胞、培養上清、脳脊髄液など多様な試料種に対応可能です。測定目的に合わせた適切な分析メニューをご提案します。
*1:Clin Pharmacol Ther. 69: 89-95, 2001
非臨床試験、臨床試験等で得られた動物・ヒト由来の生体試料から様々なバイオマーカー測定を実施しています。
対象とするバイオマーカーに合わせてLC-MS/MS法やLBA(Ligand-Binding Assay)法など適切な分析法を選択します。
実験動物では各種ホルモン(下垂体、甲状腺、副腎皮質ホルモン等)や評価マーカー(腎機能、炎症・腫瘍、骨代謝マーカー等)の測定実績があります。臨床試験においても各疾患に応じて、糖尿病関連(GLP-1、GIP、DPP-IV活性)、循環器系疾患関連(CETP濃度・活性、アンジオテンシン)、腎障害関連(GST、KIM-1、FGF-23)、炎症性疾患関連(各種サイトカイン・ケモカイン、リンパ球サブセット)など様々なバイオマーカー測定をご提供します。
一例として「測定メニュー紹介」をご覧ください。
試料中に微量しか存在しないバイオマーカーの変動をより正確に評価するために、高感度で高精度な分析法が求められます。メディフォードでは、LC-MS/MSやLBAにおいて、高感度測定が可能な機器を複数導入しており、さまざまな測定ニーズにお応えできます。
LC-MS/MS法においては、最新の高感度質量分析計を導入することにより、高感度で高精度な分析サービスをご提供し続けます。
LBA法では、Meso Scale Diagnostics(MSD)社のMESO QuickPlex SQ120やMerck社のSMCxPROを導入し、pg/mLからfg/mLレベルでの微量バイオマーカーの検出を可能にしています。
ECL(Electro-Chemi-Luminescence:電気化学発光)法は、電気化学的刺激により検出用抗体等に付与した標識から生成される発光シグナルを検出する方法です。低いバックグラウンドと広いダイナミックレンジ、そして感度の高さが特徴です。様々な試料種に対応可能で、再現性に優れた信頼性の高いデータ提供が可能です。
単項目での測定はもちろんのこと、最大10項目までのマルチプレックス測定が可能な製品もあります。測定可能なバイオマーカーのラインナップについてはお気軽にお問合せください。
抗原抗体反応とSMC(Single Molecular Counting:1分子カウント)技術により、極めて低い濃度でも検出することが可能な高感度イムノアッセイプラットフォームです。専用のキット製品に加え、ELISA法等の既存の測定法からの高感度化も可能です。
少量サンプル(数十μLの血漿/血清等)から複数のバイオマーカーを同時測定する分析サービスをご提供しています。
MSD社のマルチアレイシステムはマイクロプレートタイプの測定により、最大10種類までの同時測定が可能で、高感度・高精度な各種キットが利用可能です。Bio-Rad社のBioPlexサスペンションビーズアレイシステムはビーズタイプの測定法で、最大100種類までの同時測定が可能です。Bio-Rad社製、Merck社製、R&D Systems社製の各種キットに対応し、生物種、疾患ターゲット等で様々なラインナップがあります。
特定の疾患に関連するバイオマーカーやサイトカイン・ケモカイン等のシグナル伝達に関連するバイオマーカーなどは、それらの相互関係を理解するために、同一サンプルから一括して濃度情報を取得できれば有益です。また、バイオマーカーの探索や検証を目的としたスクリーニングでは、複数の候補マーカーの濃度や変動を一度に評価できれば効率的で、希少なサンプルを有効活用できます。
非臨床試験では、各種実験動物について以下のようなホルモン・バイオマーカー測定が可能です。性ホルモン周期、日内変動、週齢変化などの背景データも保有しています。
臨床試験においても、以下のような測定実績があります。
上記は一例です。ここに記載のないバイオマーカー測定も可能ですので、お気軽にお問合せください。